「一礼申して 立てやわがつれ 立てやわがつれ」
という歌で演目が始まる。仲立が歌い出し、続いて他の獅子達も左右対の動きをしながら全員で歌う。「さあ、これから踊りをはじめるぞ」という始まりの歌である。
他の演目も、歌はそれぞれに違うがほとんどがこのような形で始まる。

入り込みの歌

・昔より三式礼とは申せども 一礼申して
 立てや我が連れ 立てや我が連れ

庭切りの歌

・南風 そよりそよりと ふくならば
 今年の稲穂は 八穂で八石 八穂で八石

燕くら狂いの歌

・燕くらのとんぼ返りは面白や ひとつは過ぎぬ
 またも返されよ またも返されよ

鹿の子の歌

・宿の娘の機織る拍子 七つなろうて 八つ八つ拍子
 九つ小拍子十二節織る

引き端のうた

・わが里に雨が降る雲が立つ 家さ戻れ 花の都さ


3人狂の場面。
2匹の若い鹿が遊んでいるところにもう1匹の鹿が仲間に入ってくる。しかし始めに遊んでいた2匹の鹿は怒ってその鹿をやっつけようとする。初めは劣勢だった1匹が、やがては2匹をやっつけ英雄になる。


入り込みの歌

・庭が良いとて 面白や 四つの隅から
 黄金湧き候 黄金湧き候

庭切りの歌

・中立の腰にさしたる 垂れ小柳 垂れ小柳
 枝節揃えて 腰を休めろ 腰を休めろ

逢初め川原の狂い

・天竺の逢初め川原 形でごぞ そごで結ぶ
 神の教えか 神の教えか

鹿の子の歌

・筑波山 中は香具山富士の山 花咲き散らす
 遊べ友たち 遊べ友たち

 

野山で遊んでいた鹿が、狩人の鉄砲の音に驚いて倒れてしまったという状況から演目が始まる。そのため、雄獅子(中立)と雌獅子以外の6人は序盤ずっと仰向けに倒れいる。
歌も他の演目の節とは全く異なるもので、他の演目は「さあ、これから踊りをはじめるぞ」という気持ちを表すのに対し、「せっかく楽しく遊んでいるところをなぜ人間は脅かすんだろう」という嘆きの歌で、どこか哀愁漂う響きがある。

・この里に いかなるヤマドジ忍びきて
 幼き鹿の 胸を騒がす 胸を騒がす

・ヤマドジは 鹿よ鹿よと狙えども
 鹿は敏くて 射つに射たれぬ 射つに射たれぬ

・ヤマドジは 弾も薬も射ちつくす
 心静かに 遊べ友たち 遊べ友たち

雌獅子を隠された雄獅子。
隠れた場所を見つけ取り戻そうと挑むのだが、威勢のいい二頭の雄獅子に阻まれ苦戦を強いられる。
四度の挑戦でことごとく痛めつけられた雄獅子は、二頭の仲間の応援を求め逆襲し取り戻す様子を踊りにしたもの。
中立と前狂いの激しい攻防戦が主要場面となるが、もっとも体力を消耗する演目のひとつ。

・笹の中なる 雌獅子をば なじょにしたよ
 隠しおかれた 隠しおかれた

・天竺の雌獅子雄獅子 下りきてこれのお庭
 遊ぶ嬉や 遊ぶ嬉や

案山子躍りは役踊りのひとつ。
山里で遊び戯れる八頭の鹿が案山子を見つけるが、案山子とは解らず、恐る恐る雄獅子と雌獅子の二頭の側獅子が近づいて様子を確かめる。
雄獅子が再度近づいて案山子を驚かし案山子の傘をとる。
怖くないことを確認し、仲間を寄せ安心して遊び戯れる様子を踊りにしたものである。

岩くずしの歌

・天竺の岩が崩れて かかるとも 心静かに
 遊べ友達 遊べ友達

長引の歌

・海の真中の 浜千鳥 波に揺られて
 ざおと立ち候 ざおと立ち候

鹿の子の歌

・春駒は 庭の桜に繋がれて 駒は勇
 花は散り候 花は散り候